月のとうふからのお知らせ

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2006年の9月、大桃豆腐近くの喫茶店で大桃さんと会いました。

その時、働き先として、大桃豆腐以外にもう一件紹介されました。
それは地方の豆腐屋さんで、水も空気もきれいなところ。
待遇も社員なので給与とボーナスも出るということでした。

環境の良さには惹かれましたが、
しかし、豆腐作りとしては機会まかせの部分が多く、
自分が将来やろうとしている「豆腐屋」のイメージとは違っていました。

「ものづくり」自体を楽しみたい。

もちろん、生きていくためにお金を稼ぐことは大事ですが、
ポンとボタンを押しただけでほとんど出来てしまうというのではつまらなさすぎます。

なので、その場で大桃豆腐で働きたいという思いを伝え、
大桃さんもすぐに承諾していただきました。

この時大桃さんから豆腐屋の現状についてこんな風にお話いただきました。

「町の豆腐屋は売れない売れないと嘆いていて、
それをスーパーが出来たせいだと言っている。
でも、事実はスーパーで売っている豆腐のほうがうまいからだ。」

それを聞いて、僕は、豆腐屋の未来に希望を持つことができました。
スーパーより美味しい豆腐を作ればやっていけるんだなぁと、とても楽観的に思いました。
そしてそれができるとなぜだか確信できたのです。

素人というのは怖いですね。

その後、何人もの豆腐屋さんに、
「なんで今時安定した職を捨てて、先のない、労働時間だけやたら長くて
儲からない豆腐屋なんて商売をやるんだ、気が知れないよ。」
と言われました。

そんな風に言われても、気持ちが揺らぐことはありませんでした。
その時は、自分のやるべきことが見つかったという喜びが大きかったのです。
そしてそれは今も変わりません。

修行開始は2007年の1月から2年間と決まりました。

意気揚々、道が定まり、晴々とした気持ちで池袋を後にしました。